暗闇坂の人喰いの木

暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)

暗闇坂の人喰いの木 (講談社文庫)

島田荘司の本です。一応なんか有名らしいので読んでみた。ずいぶん時間がかかりました。普通のミステリーですかね。可もなく不可もなく。謎解きに関して言うならちょっと厳しい。変な状態で死んでいたのは偶然ですって答えは納得いきません。でも舞台設定はおもしろい。昔刑場だった場所の木が罪人の血をすって気持ち悪く成長するのはいい発想。木に染み付いた罪人の呪い的な考えもよい。でも、あんまり僕の感性にひっかかるものではありませんでした。本格ものでいくなら有栖川有栖綾辻行人のほうがいいかな。
押しかけ探偵御手洗潔の話。主人公はその探偵と一緒に住んでいる石岡くん。暗闇坂の上の大楠の近くである一族の者が不審な状況で死んでいく。台風の日に屋根の上で座った状態で心不全で死んだ長男、同じく台風の日に楠の幹の又にまるで食べられているかのように刺さっていた次男、そのとき同じくして楠の前で死んだ母親、地下室で白骨化していた父親(元旦那)。それは元旦那の異常な性癖を隠すために母親が自らの子供を殺していた。それも愛。