コンセント

コンセント (幻冬舎文庫)

コンセント (幻冬舎文庫)

田口ランディという人の作品です。買った理由はなんとなくとしか言えない。表紙で気になったとしかいえない。CDをジャケットで選んで買うのと似たようなものだ。予想以上におもしろかった。この本はしばらく売らずにとっておこうと思う。とりあえずだけどね、いずれは売るかもしれない。いわゆる殿堂入りです。本棚に空きがどんどんなくなります。
主人公の朝倉ユキの兄は借りた部屋で衰弱死をしていた。今から掃除をしようという状態、掃除機がコンセントにささり、他にも掃除用品が用意された状態で、事故死とも他殺とも自殺ともつかない形だった。後にそれは飢餓ろ暑さによる衰弱死と分かる。なぜ兄は生きるのをこの不思議な状態でやめたのか?ユキはそれ以来、死臭を嗅ぎ分けるようになる。それが心理学を学んだユキには分裂病の初期症状と感じる。そして、その正体と兄についてのことのためにかつての恩師にまたカウンセリングを頼む。兄はコンセントを入れないと動けない分裂病の少年に興味を持っていた。兄がいろんなところに見えるようになる。ユキはだんだん症状がひどくなる。そこにシャーマニズムを研究している友人や精神科の医者になった友人たちが手助けをしてくれる。そしてひどい熱をだした後、正気に戻るが症状は続いている。ユキは現代のシャーマンになった。地球の記憶、今までの全人類の記憶のおさめられているホストコンピュータのようなものにつなぐ方法を覚えた。そのためのコンセントなのだ。そしてセックスという行為で彼女自体がコンセントとなり、男をつなげることで癒していくようになる。