- 作者: 山田詠美
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 1998/08
- メディア: 単行本
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石原慎太郎、伊集院静、井上陽水、大岡玲、大沢在昌、奥泉光、京極夏彦、佐伯一麦、団鬼六、西木正明、原田宗典、水上勉、宮本輝、村上龍という大御所な作家たちと対談をしています。井上陽水は作家じゃないけどね。まぁ、このうちの3人しか読んでいないのでまだまだ勉強不足です。ここに載っている作家ぐらいは全員1冊は読まないといけないよなぁ。さらに言うと、どの人もたくさん小説を読んでいる。やっぱり書ける人、売れる人は違うものだと思う。
最近の作家志望の人に言っていたことが気にかかる。まずは、他の音楽やスポーツの才能と違って、小説というのは誰でも書ける。それは日本語を書くというのが誰でもできるから。でも、小説を全然読んでいない人が書けるかというとやっぱり書けない。最近の人はもっと読むべきなんだって。そして、もしも新人賞を受賞しても、その次の作品が書けるか書けないかが本当の勝負なんだとか。せめて、最終選考まで残れば編集者なんかともコネができる部分があるし、1作だけで終わらないこと。それから、30枚(×400字として12000文字くらい)が1番実力を求められると。このぐらいの長さのものを何度も書くとコツがつかめてくるとね。1行でいい文章をみんな長く説明しすぎだと。1行でかけることが小説なんだって。あとは、難しい言葉ではなくて誰にでも分かる言葉とかね。
僕の小説論と通じるところがあった。これも僕の読書が身についている証かなぁと少しだけ自慢できる。
あと、この対談の中でよく出てきたのは、「差別」と「セックス(を含むエロティシズム)」かなぁ。差別用語と思わずにそんなことに気にせずに、言葉を使うのが正しいのだと。本当の愛情も肉体関係なしには難しい。でも、肉体的な挿入とかいう体験だけがセックスじゃないということをもっと分からないといけない。だから、ゲイとかとそういう人たちの方が本質をつかんでいる。
とりあえず山田詠美さんの小説を今度読んで見ようと思う。みんな褒めていたから。もちろん対談でけなすのは難しいからというのもあるが、具体的にこういうところが良いってみんな言っているのだから、僕も何か感じられるだろうと思う。作家先生ほどつかめたりなんかしないけどね。今までにも、作家の解説のようにちゃんと言葉にできるほど感じ入れたこともないから。でも、書こうとすればこんな解説のようにも書けるのかなぁ。