キャラクター小説の書き方

キャラクター小説の作り方

キャラクター小説の作り方

やっぱり読書をたくさんしていると小説を1度は書いてみたくなるもの。何度か挑戦しているが、どうもキャラクターというか人物をつくるのが苦手なので読んでみた。あとは、仕事でキャラクターについて考えているので参考になる部分もあるかという希望。もちろん、作者が大塚英志という「サイコ」「くもはち」の作者であることも影響している。
まずキャラクター小説の起源についての紹介。スニーカー文庫に代表されるのがキャラクター小説。アニメがカバーイラストに使われていることが多いが、グッズと思われると困る。日本語が文語から口語に変わったこと。自然主義の発生に由来していること。著者としての私ではなく、その世界の登場人物としての私の観点で世界をみること。
最近の作品は個性を勘違いしていて、ただありがちなキャラをだしてしまう。これは外見的、内面的な設定だけを重視しずぎている。両目の色が違うなどを重視するのではなく、そこから物語を導き出すことが大事。これにより、あとで設定がおかしくなることもない。目の色の違いから劣等感でそれを克服するとかそういうこと。
キャラクターにしろ、世界観にしろ、ほとんどのアイデアは出尽くしている。あとはそれらの組み合わせをどうするかということに重点を置く。ストーリーは、足りないものがあり、それを試練によりとりもどして、最終的に終わるのが通常である。大概のものはこれでできている。細部の矛盾があってもいいので、ストーリーを大事にすること。利き手が変わったとか気にするな。
ストーリーつくりが苦手なら、場面ごとにカードをつくってみる。登場人物、場所、時間、何を話すかなど。場面の想像もないが、使いたい台詞などがある場合はそれもカードにつくってみて、あとから順番を考えてみる。
上記のようなアドバイスというか鉄則があったが、まぁ聞いたことのあるようなものも多かった、それよりも勉強になったのは、「木更津キャッツアイ」の世界観だった。古いギャグがわからないと面白くないという作品との評判だが、見方を変えるとおもしろい。まずこれは、「うる星やつら」のパロディでもある。みんな大人になりたくないという世界。木更津という街からでたことのない人間ばかりが登場する。ずっと続いている野球漫画がでてくる。キャッツアイも漫画だし、大人になりたくないという気持ち。その中で、あと半年の命と宣告された主人公が別の世界にいくというこわさなど。そういう目でもう1度見直してみたくなった。