- 作者: 森鴎外
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/06
- メディア: 文庫
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「高瀬舟」は罪人を運ぶ船での船頭の役人と罪人の会話。普通は罪人はいろいろ嘆いているのだが、この罪人には晴れがましい顔をしているので、役人がその理由を問いただす。罪人は暮らしが苦しくて、流される島のために奉行者からもらったお金が始めての大金なのでうれしいこと、弟を殺した罪なのだが、これは弟の病気のための自殺幇助または安楽死の手伝いてあったことをきく。ここから、人間の欲と安楽死の問題が感じ取れる。
「山椒大夫」は、有名な安寿と厨子王の話。九州の方に父親を探しに旅立った家族が人買いにだまされて、安寿と厨子王という兄弟と母親とに引き離される。安寿と厨子王は、雇い主に忠実に働くがあるチャンスを狙って、弟が父親と母親を探しにいけるように姉の安寿が作戦を練る。泉で自殺をはかり、弟の厨子王が逃げられるようにする。厨子王は父親を探しに行くが、すでに亡くなっていた。厨子王は、運よく役人に会い、形見の守り本尊から高貴な血筋が分かり、役人として徴用される。そして、自分が使われていた状態にならぬように奴隷制の廃止などをする。その後、母親を探しに行き、母親は佐渡で安寿と厨子王の歌を歌っているところを発見する。
古い文学はわかりにくいです。でも、一応、この2作品を抑えておけば大丈夫かなぁ。他にも短編がいくつか載っている。