アニマル・ロジック

アニマル・ロジック

アニマル・ロジック

山田詠美は対談集を読んで、作品が気になるようになった。どうせならぶ厚い作品読むべきかなぁとこれ。
主人公は、黒人女性ヤスミンの中に住む微生物「ブラッド」。これは微生物なのかなんなのか正体は最後まで明かされない。ヤスミンは、考え方も性的にも開放されていて、白人弁護士や、中国人の料理店オーナーなど、いろいろな人たちと寝る。レズビアンとも寝るし、ゲイとも交流がある。人種差別や同性愛差別がはびこるニューヨーク、マンハッタンの街でいろいろ繰り広げられる。
ブラッドはヤスミンの血液中を泳いで暮らしていて、体液を通して他の人の体に移ったりする。自分のかけらを残してくることもある。そのかけらと交信して、情報を得たり、時には肉体に影響を与えたりする。人の体を移っていてヤスミンという居心地のいい体を発見した。他の人の体にあるとき移ってみると、自分と同じ生物を発見する。そして、自分がオスであり、その出会った相手がメスであったことも知る。そして、人間と同じようにセックスをする。子供を成していく。そして、他の人の体には自分と同じような生物がいることも知る。
あるとき、ニューヨークで心臓麻痺の突然死が流行るようになる。それは、自由をたべる生物の糞が原因でブラッド達もそれに手を焼く。ヤスミンの体にもその生物が寄生する。

まぁ、人種差別は黒人自体もつくりあげているものだということ。生まれながらにしての罪はなく、親が植えつけることもある。希望を教えることも難しい。何にも縛られないことが大事なのかなぁ。差別問題は苦手なのでコメントしづらい。