起動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY

昔欲しかったセガサターンで発売されたゲームソフトの小説化された作品。確か青いジムが主人公だったと思うのだが、表紙は青いガンダムが載っています。
ガンダムの1年戦争時代のサイドストーリー。

第11独立機械化混成部隊。モビルスーツが運用されて間もない頃なので、実戦データを集めるため、特別なジムを配備された連邦軍の部隊。主人公はそこのパイロット「ユウ・カジマ」
北米大陸で敵の部隊を撃墜したところ、味方からの救援信号が届いた。救援に向かうとそこには、傷ついたミデアがいた。敵を撃退し安心したところに、ジオンの最新モビルスーツ「イフリート」が現れる。グフとは違う青いモビルスーツ。肩だけが赤い。まるでこちらの動きを読むかのように狙ってくる。味方機は行動不能まで陥り、ユウのジムもコックピットにサーベルを当てられる。そのとき、相手のパイロットから「自分の機体に傷をつけた奴の顔が見たい」と要請され、コックピットをでる。相手はジオンの騎士「ニムバス・シュターゼン」と名乗る。その後、殺される直前に連邦軍の援軍が来たのでなんとか見逃してもらう。
この青いイフリートは昔戦った青いジムを思い出させた。この青いジムは機密らしく戦闘記録も残っていない。イフリートのようにコックピットばかり狙い続けたものを、ユウがなんとか落としたのだ。
この青い2機には、EXAMというシステムが乗せられている。これはジオンから亡命した博士がつくったものだ。対ニュータイプ用のもので研究中だった。これは人の殺気を感知する。だから、人ばかりを狙うようになる。ただ、まだ実験段階なので暴走してジムは味方機の区別がつかなくなり襲ったのが真相らしい。EXAMに精神力が耐えられるパイロットが存在しなかったらしい。
傷ついたミデアの積荷であった青いジムは今後ユウが操縦することになる。EXAMのシステムに合わせ改造が施してあり、エネルギーも装備も拡張されている。今は暴走しないようにサブシステムが組み込まれている。そして、この青いジムでユウはどんどん戦績をあげ、エースパイロットになっていく。
連邦軍のキャリフォルニアベース奪還という大規模な作戦のために、第11部隊も出撃する。しかし、ユウだけは別に基地を破壊するために1機で出撃する。核ミサイルを使用する可能性があるために攻撃しておくらしい。1機で向かったのは、EXAMの実験のためで、味方機を巻き添えにしないためである。5分以上のEXAMシステムの開放は機体のオーバーロードになるので、5分がタイムリミットだった。なんとか5分でミサイル基地を落としたのだが、敵の殺気を女の子の声が教えてくれる不思議な現象を体験する。
EXAMシステムはマリオンという女の子の精神を使っているらしい。青い宇宙ばかり描いていた不思議な女の子だったらしい。宇宙には人の意志があふれていて、青く見えるらしい。
キャリフォルニアベースを奪還し、第11部隊も総攻撃のために宇宙にあげられることになり、しばし休息をしていたところ、またあのイフリートが攻めてくる。ユウは陸戦型ガンダムにEXAMを積んだ機体で出撃する。敵のイフリートのEXAMと反応しあっている。ユウは個人を殺すということをためらっているうちにタイムリミットでオーバーヒートしてしまう。その間に別のEXAM搭載機のガンダムを奪われてしまう。第11独立部隊は今後、連邦軍総攻撃よりも自分たちのミスを取り返すために、ガンダム奪還又は破壊のために宇宙にあがることになる。
まずはEXAMの資料をジオンから奪うためにあるコロニーに侵攻する。そこにニムバスの駆るガンダムも当然来た。そこで激しい戦闘をして、ほぼ相打ちながらガンダムの破壊に成功する。そして、EXAMのマリオンに導かれ、無限の宇宙から味方の場所を察知してユウは帰還する。

この後、ユウはシャアの叛乱でも、ジェガンを駆りアクシズが地球に落ちるのを防ごうとする。

久しぶりのガンダムの小説でした。戦いの部分のあまり主眼がおかれていないが、頭部分に姿勢制御こコンピューターがあるので壊れると戦えないとか、駆動部の負担が走るだけで厳しいなど、そういう観点はおもしろい。武器や戦争背景などもよく説明してくれていると思う。
特に最後の「文明と文化」の講義はおもしろかった。これは、架空の教授がミノフスキー粒子ニュータイプ、などの用語を使い、いろいろと難しいことを説明している。