希望のない生徒

多分高校生なのだと思う。
僕は窓側の1番前の席に座っている。窓側の机、廊下側の机とも中央を向けてあり、向かい合わせになっている。教室の前の教壇には、講師という扱いでブラックマヨネーズの小杉がいた。どうやら進路の話のようだ。何になりたいかと夢はあるかという質問をしている。僕があてられて考えていると、なりたいものはないのか?ともう1度聞かれた。「特にないです」と答えた。続いて僕の後ろの席の子が同じ質問をされた。「実家のある岩手に行き、ふでばこに自分の名前がついて売れるようにして、一旗あげたいです」と答えていた。「なんのこっちゃわからん」とつっこまれていた。「このクラスにまともなやつはおらんやないですか、先生」と言われ、中学のときの担任の女教師は謝っていた。続けて、その後ろの席の子が同じ質問をされていた。何を答えていたか忘れたけど、小杉は「やっとまともな生徒がおった」とうれしそうだった。