リーガル・ハイ 第4話

もうすぐ子供が生まれそうな若いお母さんが、マイホームの庭に白いブランコを買った。その時に大きな音がして見に行くと、話し合っている最中のはずの15階建て高層マンションの建築が強行されるようは始まっていた。こうなったら弁護士と騒ぐ付近住民の下に、黛が現れる。日照権の侵害がある場合は、設計の変更を要求しましょうと約束していた。
古美門事務所では日当たりの良い庭で古美門が昼寝をし、服部は温室で野菜を育てていた。黛が仕事をとってきたと持ってきた。建築は初歩から勉強してこの仕事をとろうと意気込んでいた。ところが、ブランコのお母さんから連絡があり、町内会で弁護士をすでに雇っていたようだった。それは人権派で有名な大貫弁護士だった。建築会社の島津エステートには再度説明会の開催を求め、町内会の方の幸せな生活が続くようにといった。
次の日、黛が出社すると古美門はお金になる仕事が入ったと島津エステートに向かった。工事差止め請求がでているが、古美門は法律的にも問題ないので突っぱねたほうがいいと言った。今回問題あるのは相手が人権派で建築業界の天敵の大貫弁護士であることだった。島津エステートには、示談におさめて欲しいと頼まれ、どう使ってもいいと2000万円を渡された。
再度住民説明会が行われた。黛も手伝いをし、あのお母さんと気まずい再会をしたが、住民側を応援していると言った。大貫弁護士と住民側は工事の差止めを要求し、それはすでに難しいが見舞金の用意はあると古美門は説明した。住民側は示談金ではなく日照権の守られた生活であると言った。古美門は大貫の演説が素晴らしいと褒め、合法的建築で本来見舞金の必要もない。一通りやりあった後、裁判で決着でつけましょうと古美門は帰ってしまった。
古美門事務所に戻ると、黛が大貫が真の弁護士で古美門を裁判で負かしてくれるように願っていた。古美門は裁判するつもりがない、クライアントの要望は示談にすることだと言った。黛が大貫側がやる気があるというと、本当にそう思っているのかと古美門は馬鹿にした。
町内会長の家では、大貫と町内会長が示談ならいくらとれるのかと相談をしていた。大貫は会社を叩き潰したいようだったが、雇い主である町内会長が示談を望むなら会社が潰れるくらいの金額をむしりとると言った。
三木法律事務所では、三木と沢木が古美門対大貫の対決をおもしろがっていた。前回歴史的敗訴になった井手も戻ってきていた。三木が言うには大貫の得意なのは和解交渉で幾度と無く企業が血反吐を吐くような額を奪ってきたと語った。企業を倒すことに執念を燃やす人権派弁護士の大貫と古美門のどちらがより示談金を希望額に近づけられるのかの勝負となる。
古美門事務所には、大貫が訪ねてきた。依頼人の利益を考え示談に応じるつもりらしい。黛は示談に応じず、設計変更まで戦って欲しいと言ったが、自分でも自分の立ち位置がわからなくなっていた。大貫の希望額は1世帯あたり500万×50世帯で2億5000万。古美門の希望額は1世帯あたり5000円×50世帯で25万円。歩み寄りが全然できずに裁判に発展しそうではあったが、本当に困るのは成功報酬が減る大貫側だった。大貫が帰り裁判だと喜ぶ黛だが、これは駆け引きだと古美門は相手にしない。日当たりよりもみんなお金が欲しいはずだと古美門は言った。敵も仕掛けてくるので黛には反対住民について徹底的に調べあげろと命令して古美門は寝てしまった。
大貫弁護士は住民達に示談金の金額を必ずあげてくるだろうと説明した。最低でも1人300万円はとると約束していた。そして、住民の協力とやる気を煽っていた。最初のお母さんは設計変更から示談金をとるような方向に変わってしまい、どこか腑に落ちない感じではあったが、周りの住民に気圧されて乗った感じになってしまった。
古美門事務所では、服部が古美門先生には深い考えがあると思うので、黛に指示に従ってみてはと忠告していた。
住民たちはビラ配りなど反対住民を増やす活動を始め、黛は反対住民の家の調査に当たっていた。テレビでは反対運動がとりあげられていた。古美門の元には幾度と無く島津エステートから電話がかかってきていたが、電話を無視していた。黛からは反対住民が増え示談金の合計額もあがり、大幅な赤字がでると言われたが、古美門は意に介さない様子だった。
例のお母さんは設計は変更してもらえるのかと町内会長に聞いたが、町内会はチームで戦っているんだから輪を乱してはいけないと言った。町内会では新しく引っ越してきた加賀蘭丸に町内会に入って反対活動に協力してほしいとお願いしていた。悪い話じゃないからという意味深な言葉もつけて。
古美門は大貫に示談金の引き上げを連絡した。大貫も満足した様子だった。ただ住民説明会での古美門の金額は1世帯あたり5万円×85世帯で425万円と言った。金額に満足できない町内会長は帰れコールを始めた。住民側がこちらの被害を分れといったが、古美門による被害の具体例を求められて説明できずに困っていた。古美門は加賀蘭丸を指名し、反対住民の会に入った理由を求められ、300万手に入ると言われたといってしまった。実質的な被害がないのに反対住民の会に入り、誹謗中傷のビラをまいたので詐欺に当たるので訴えると言った。ほかの住民についても順次訴えると脅していった。
脅しが効いたのか、反対世帯は28に減った。そんな大貫のもとに三木から電話がかかってきた。三木は古美門を倒そうとする者はみんな味方だと資料を渡したが、大貫はすでにその資料を用意してありタイミングをはかっているところだった。
資料は新たなマンションの建設計画でそれが島津エステートに大貫から送られてきた。この資料により今建設中のマンションも日陰になりマンションの価値が大暴落して困るから、相手の要求をのむと言った。しかし、古美門は一任されているので引かない姿勢だった。すぐにこの示談をまとめられなければ古美門はクビだと言われた。
古美門事務所には加賀蘭丸がまた夕食を食べに来ていた。引っ越してまでの潜入捜査だった。仲良し町内会の化けの皮をはがしにいくと古美門は出掛けた。反対住民の中心人物達3人を潜入捜査で分かった旦那のリストラ、息子が怪我させた相手の治療費、ギャンブル癖など経済的に困っている部分を弱みにして、示談金を通常なら20万だがあなたにだけは40万にするので他の住民に示談に応じるように説得してくれとお願いしていた。
大貫弁護士は残った住民に対してさらなる奮起を促していた。300万円以下は受け取らない。有利なのは我々で、正義は我々にあると意気込んでいた。しかし、説得された3人は少しとまどいが見られた。
最後に古美門は町内会長の家を訪れた。町内会計費の出納帳と町内会の企画のゲストのギャラを着服していたと責めていた。通帳にプールしてあるというが、町内会の会員の加賀蘭丸の委任状により通帳を見せらられることになった。この着服金で各地を旅行していたらしい。それを弱みに40万円をまた同じように小遣いとして受け取ればいいと脅していた。服部の進言で古美門の手伝いをしていて黛であったが、古美門に深い考えがなく相手を徹底的に叩き潰すことしかないことに落胆していた。
黛は最初のお母さんに話を聞きに言った。子供とブランコの夢を聞き、示談に乗るのかと聞いた。反対住民の会を脱退して示談金を受け取らなければ、個人的に裁判を起こし設計変更を勝ち取れる可能性があると進めていた。黛は古美門にこのことを正義と称して報告していた。そこで古美門は近くの寺田工務店に案内した。旦那は事故で死んでしまい奥さんが切り盛りしている。この工務店がなんとか成り立つのも島津エステートの下請けがあるからと説明した。例のお母さんにすすめたことは、この寺田工務店をつぶしてしまうかもしれない手伝いだと説明した。しかし、そこに旦那が帰って来て全部創作だと古美門は言った。これは創作だったが本当に寺田工務店のようなところはあるかもしれない、黛のいう正義は上から目線の同情でしかない、目の前のかわいそうな人間を哀れんでいるだけだと諭した。正義は特撮やジャンプにしかなく、弁護士は正義など考えず依頼人の最大の利益のためにうごけ、できないなら弁護士バッジをはずせと言った。
最終的に古美門は見舞金を20万円と提示した。大貫は取り合わないつもりだったが、吹き込まれた3人の住民はもうこれでいいと言った。まだ大貫はなんとかしようとするが、町内会長もマンションができて新しい人が入ってくることは悪いことではなく、ここが落としどころだと言った。社会正義だという大貫弁護士に対して、町内会長は自己満足だと言った。町内会全員が20万円で同意をし、合意書にサインして示談は終了した。あのお母さんも同意してしまった。
説明会の後には古美門は成功報酬目当てだろうと言ったことを、大貫に謝罪していた。大金をもらったことで満足かと問われ、はいと返事をした。
黛は例のお母さんに会いに行った。結局お金でみんなけっこう満足していると語った。新しくマンションに引っ越してくる夫婦にもこの町はとてもいい町だと説明していた。
三木は大貫に対してよくやったほうだと褒めていた。三木は自分自身が倒さないと思っていた。
古美門事務所の狭い温室ではまたたくさんの野菜が収穫されていた。黛は古美門に、ここにきた自分自身の目的は古美門をいつか必ず倒すことだと分かったと言った。近くで工事の音が聞こえ、高層マンションかなというと、古美門は断固差し止めてやると怒った。