イン・ザ・プール

イン・ザ・プール [DVD]

イン・ザ・プール [DVD]

地下鉄の中で袋の中にずっと話しかけている若い女性。ある女子高の校門の前、クッキーが落ちている。自分の大事なものを女王様のハイヒールで踏み壊してもらうフェチ。そのフェチが進むと踏まれるものに感情移入するので、女子高前にクッキーを置いた人間がいる。プールの監視カメラの映像。1人の男がプールの水を飲み、その後ペットボトルに水を入れて持ち帰った。そのプールは昼には女子高生が泳いでいたプール。これらの映像は精神科医の講義で語られた内容で、人々が抱えている心の闇による異常さとの共存を考えるのが精神科医の仕事だと説明した。
その講義をしていた精神科医のインタビュー記事を大森和雄(田辺誠一)がバスの1番後ろの座席で読んでいた。仕事や日常でストレスが溜まるので、解消のために水泳を始めた。
田口哲也(オダギリジョー)が丸2日間勃起が続いたままなので病院に受診した。道で女子高生とすれ違う時も混んだ電車の中も、会社のデスクワークでも前を隠したりして日常生活に支障をきたしている。根本的な原因は分からないが、警告性勃起症や陰茎強直症と呼ばれ、交感神経が副交感神経に負けオンオフがうまくいっていない状態といわれる。不治の病ではなく最長記録は180日らしい。症状の記録として陰部、カルテ用として上半身の写真を別々にとられ、医師も看護婦もいなくなり下半身丸出しで放置されてしまった。
大森和雄はどんなに仕事がハードでも1日1時間は泳ぐことにしている。管理人さんと話していて来月に買い換えの予定があり、毎日は泳げないと言われた。大森の会社でのポジションは決まり時間は自由に作れるようになった。
手をあげていた大森を素通りしていったタクシーには岩村涼美(市川美和子)が膝にマーガレットを乗せて座っていた。髭面でボサボサ髪の若い運転手がマーガレットは便所臭いとか、ガスタンクは丸いとか何かと話しかけてくる。ガスタンクは爆発したら大変だという運転手の言葉に家でお湯を沸かしていたのを止めたのか不安になる。タクシーを降り電車をホームで待つ間にマーガレットで火をを消したかどうかの花占いを始め、消してないになったので焦って家に帰るが、火はちゃんと止めてあり「ガビーン」とつぶやく。それにより仕事の取材に間に合わなくなったので編集長に謝罪に電話を入れた。
田口は地下の神経科を訪れた。伊良部一郎(松尾スズキ)という医師がいた。治まらないので悩むのはもったいない、勃たない人からするとうらやましい。インポテンツは自信のなさから来るが、田口さんは逆でどこからでもかかってこい状態だと囃し立てた。だわわわーひゅーひゅーという学級閉鎖の歌を知ってるか患者全員にきいている。こんな状態は中学生っぽいだとか怒らせようとしたが、下半身に血が集まっているから頭に血が登らずやっぱ怒んないんだぁとふざけている。エッチな妄想はいつから?心の下半身も裸になりましょうとうまいことを言った。
田口に思い当たることがあるとすれば、別れた妻が黄色い部屋で喪服でグルグル回っているといういやらしい夢だった。目を回す小夜子の姿で興奮していた。夢のことは話さなかったが目覚まし時計で起きた時に上から股間広辞苑が落ちてきた所為だと話した。伊良部医師は落ちてきた広辞苑の開いたページが勃起よりも問題という。伊良部医師の知り合いで空襲の時に爆風で目玉が飛びでたが、神経はつながっていたので慌てて目を元にもどした。しかし、今思えばその神経がつながっている状態でなぜ後ろを見なかったかずっと後悔したという。医師はなぜこんな話をしたのか自分でもわからなくなっていた。続いて、いきなり田口の股間に蹴りを入れた。広辞苑という外的ショックでこの症状になったので、同じように外的ショックを与えれば治ると思ったらしい。でもダメだったらしい。心にひっかかることがあるのでしょうと質問されたが、夢の内容はやはり隠しておいた。泌尿器科でも注射をうったらしいが、念のためもう1本うつことになった。伊良部医師は注射の様子を見て血の逆流が好きだとうっとりしていた。しばらく通うことになった。
大森はトイレの洗面台に水を張り、手を洗うついでに手を泳ぐように動かしてしまっていた。会社の上司はストレス発散に時々カメムシなどの臭い臭いをかいですっきりしているらしい。深夜までの仕事になると部下にも2時間の休憩を言い渡し、田口はプールに向かった。プールまでの往復時間が30分、ご飯を30分として、1時間は泳ぐことができる。
岩村涼美は家をでる時に念入りにガスや水道、戸締りなど部屋のいろいろなことを確認した。家を出て気になって戻り、マンションを降りてからしばらくしてまた戻る気になりようだった。
田口は会社で電話をしている。女性の部下に客への断りの電話を入れてくれと頼まれもした。ザブングルの加藤も部下としてでていて、女性には絶対怒らないですよねと嫌味を言われていた。上司からは左団扇君がスケジュールの都合がつかなくなったので、代わりに田口が温泉接待のために予定を開けてくれと頼まれた。
岩村涼美は図書館で強迫状態についてしらべていた。調べている間も本棚にはガスの元栓閉めた?などの気になる事柄がたくさん現れていた。そうかと何か分かったようだったが、ガビーンとショックを受けていた。
伊良部医師のところへ岩村も訪れた。強迫神経症の人は折りたたみ式の傘を持っていると伊良部医師は言う。どんよりしているので今日は休診でお茶を飲みに行くことになった。伊良部はイケメンやきれいな人が、1滴2滴の早い段階で傘をさすのやもう止んでいるのにいつまでも傘をさす人について怒っていた。ガスについてはマンションの火災保険やガスの安全装置について話して安心させようとした。それでも気になり岩村はガスから電磁調理器に変えようとか言ったが、それでも漏電の心配になるだけだと伊良部に言われてしまった。その漏電という言葉から心配になって家に帰ってタコ足配線が気になるから帰ると言い出した。そこで電話をかけて留守電が作動すれば確認できるとアドバイスされたが、半焼だったらどうするかとまた心配になった。休診というか治療の1つも終わったのだけど、伊良部医師は夕立ちがくるからと岩村から折りたたみ傘を借りていった。そして夕立がきたけど岩村は雨に濡れて楽しそうだった。
大森は会社で部下が資料を用意していないことを怒っていた。そのストレスを発散しにまたプールに行き2時間泳いだ。本当は朝まで泳いで痛かったが帰って、妻と話すことにした。妻もプールに行きたいと言ったが、大森が乗り気じゃないと少し不機嫌だった。そこで大森ははてなとぶっくりマークについての話をした。猫の後ろ姿でしっぽとお尻の穴だとか。
田口はシャワーを浴びている。股間に冷水を急にあててみたりした。冷却スプレーをかけたりもした。キッチンで包丁に目がいったけど、お湯の沸いたことで我に返った。カップラーメンをひっくり返してしまったが、奇跡的にお湯も中身もこぼれず床にさかさまになった。しかし、なんとかもとに戻そうとカップを持ち上げると中身が全部出た。
岩村は会社に行って編集長に謝った。編集長はスイカを切ったら種だけざくざくでてきる気持ち悪い夢を見たと話した。編集長に次の記事は家庭内の危険について書くと言ったら、ルポライターとして産業廃棄物の不法投棄などの社会的テーマはないのと怒られた。家に帰ってきていろんなものを電源を入れたり切ったりプラグが抜けていることを確認して完璧だと喜んでいたが、エアコンがつけっぱなしでガビーンとショックを受け伊良部医師に電話した。今回はエアコンだから良かったが、ガスやアイロンだったら次は大変なことになると心配していた。向かいのタバコ屋のおばちゃんに時々電話して自分のマンションが燃えてないか確認したいので電話番号を教えて欲しいと頼みに行ったら扉を閉められてしまった。
田口は屋上で手書きの楽しい温泉旅行のしおりを見て悩んでいた。また伊良部医師のところに行く。戦隊物でエレクトした時だけ強くなるエレクトマンはどうかな?とバカな提案をする。発散するために温泉でも行けばと言いかけてみんなに迷惑かと言ったが、温泉に行く事になってしまったと田口は言った。伊良部医師に電話がかかってきた、お見合いパーティで結婚して3週間で実家に帰り3000万の慰謝料を請求してきているようだった。田口も結婚について思い出していた。引越しの日の妻として最後のご飯、アボガド納豆丼。ひたすらにうまいと田口は言ったが、奥さんは自分が最悪で、でもなんで怒らないの?と質問してきていた。病院から帰った夜、お風呂で田口は股間に向かって「俺が怒らないからお前は怒っているのか?」と話しかけていた。
別の日田口は黒い服装で前の奥さんが住んでいるマンションを見に行った。郵便受けを見ると別の男性とのハートマークが見えた。雨の中公園で傘を差してすべり台に座っていた。ちょうど前の奥さんと男性が帰ってくるところを目撃してしまった。田口の足元にタバコを折って作ったLOVEの文字。灰をズボンに落として焦がしてしまった。
大森はまたプールで泳いでいる。泳ぎ始めた時は200メートルで息があがってしまったけど、今では最低2キロは泳ぐ。その横を伊良部医師が泳いでいた。1.5キロを過ぎた当たりから不思議な恍惚感が湧いてくる。30分ごとにプールを上がらないといけないことを伊良部医師も大森を不満に思っていた。伊良部は腹いせに飛び込んだりして迷惑をかけている。
岩村はまた伊良部のところに訪れていた。カルテをなくしたお詫びにカブトムシをおすそわけしていた。岩村ルポライターとした伊良部は、別の病院の院長が自分の病院の悪口言ってるから叩いてくれと頼んで断られていた。そろそろ本格的な治療を始めると行って外にでた。幸福の木が枯れたもので作った最悪な棒。これをさっきの病院の中に投げ込めという。人に当たるかも知れないという不安があるが、地球上では人のいる場所よりもいない場所の方がはるかに多い、たらればばかり考えていられない、ルポライターなのに臆病と言われ岩村にも火がついた。棒ではなく近くに落ちていた石を投げ込んだ。人には当たらなかったけどガラスを割ってしまい、今のは岩村の石だよねと伊良部は逃げ出した。
田口の温泉接待が始まった。ゴルフバックにハイキングの格好とはしゃいでいる先方。露天風呂に行く予定になっているが調子が悪いと田口は部屋に入っていた。露天風呂に行くケーブルカーを待っていると、やけにたくさん旅館から若い女性ばかりでてきた。田口は火災報知器を見つけ押した。
大森の仕事は業者がケチをつけたことにより会議が伸びていた。それでもプールに行きたいらしくすでに水着を下にはいている。トイレの掃除用の大きな浴槽みたいなものに水を溜め、腕を入れて気持ちを抑えていた。プールが終わるまで2時間あり1時間で切り上げ部下に任せてプールに行く事にした。そこの愛人から電話がかかってきた。愛人は会社の部下(真木ひとみ)だった。大事な話と呼び出されたが妊娠などではなく病院に行って欲しいとのことだった。病院に行くと性病と分かり、プールで泳ぐのは禁止された。抗生物質のカプセルはやけに清々しい青色だった。
田口がまた伊良部病院に行くと、前の奥さんが慰謝料をせびりに来ていた。伊良部とかなり本気で戦っていた。結婚なんてするものじゃないという話になり、そこから田口は離婚したことを話す。奥さんの浮気で逃げられて何も言わなかったし怒らなかったというと、伊良部は今から怒鳴りに行こうと病院を飛び出した。前の奥さんの職場で呼び出すと、マンションに来ていたこともばれていた。再婚の報告に来てくれたのじゃないかと期待をしていたらしい、自分がひどいことをしたので自分だけ幸せになるのは不公平だと心を痛めていた。といい話になっていたのに、「この腐れ売女め、どんだけずうずうしいんだ」と伊良部医師がなぜか怒り始めた。なんとか伊良部医師を引き連れて田口は逃げ出した。
岩村は編集長と焼肉を食べていた。ルポライターとして仕事で沖縄に行くことになった。焼肉屋でもガスを消したか心配になっていた。夜寝るときになっても消していないとまずいと気になって焼肉屋に押しかけた。警察を呼んでまで確認しようとした。
大森はプールで泳げないことでおかしくなり、屋上のタンクの水をのぞいていた。泳げさえすればなんとかなるとタンクに入り込もうとまで考えていた。
岩村は目覚まし時計を大量にかけていた。戸締りをした様子やカブトムシの餌、アイロン、ブレーカー落としたなどの確認をビデオに録画していた。それをタクシーで見て確認して幸せな気分になっていた。ビデオを何度も見返してカーテンがしまっていないことで、すいそうのレンズで直射日光が凝縮してカブトムシが発火して火事になる心配をしていた。空港まで行ったものの家まで帰ったが、家に帰ると日は陰って大丈夫そうだった。
大森の性病は治ったようだった。すぐにプールに入っても大丈夫かを聞いていた。プールに行ってもいいことになったが、大会準備でプールが使えないことになっていた。管理人ともめていると伊良部医師が飛び込んでいた。
岩村は家で大量のピザとソーダに囲まれながら、外国産のマーブルチョコレートを色ごとにさらに分けていた。そこに編集長がやってきた。強迫神経症が高じて、ガスコンロや電気製品も全部売ってしまったらしく部屋には何もなくなっていた。産業廃棄物の冷蔵庫に子供が閉じ込められる事故になるかもしれないから、ちゃんと原稿をあげろと編集長がいったところで岩村はまた何か不安を思い出した。それは幼い頃の缶蹴りで友だちの西川くんを冷蔵庫に入れて、出したかどうか気になっていた。いつの間にか場面は病院で伊良部医師は1万%だしてないと明言した。不安がる岩村に冷蔵庫を見に行こうと伊良部医師は連れ出した。休診で最後に振り返った看護婦は西川くんの顔になっていた。
田口は泌尿器科から連絡を受け、セバスチャン大学の教授に見てもらっていた。症例としてすごいらしくビデオの録画をしてサイズをはかっていた。
岩村と伊良部医師は乱暴な運転で山の上の公園に車でつっこんだ。細い山道を登っていくと冷蔵庫がたくさんあった。不法投棄の冷蔵庫がたくさんあった。伊良部医師が適当に1つをキックで蹴るとドアが空き、白骨死体がでてきて逃げ出した。
田口は謝礼金をもらった。しかし、診療ではなく珍しい症例として記録したいだけだった。外科手術で直す方法もあるがこれは悪いことではないしリスクをおかすことじゃないと説明すると、見世物にしたんだと田口はついにキレた。物をなげて窓を割り書類をまき散らした。警察もやってきた。
岩村の方は山でブルーシートがはられ警察もきていた。そこに編集長がやってくる。伊良部医師は刑事になるといいながら、やってきた編集長にブスと一言浴びせる。岩村は西川君を探しに他の場所に行った。当然西川くんは生きていて冷凍倉庫で働いていて、白骨死体は沖縄取材で移行したヤクザ関連の事件の被害者だった。
警察に連れて行かれた田口は勃起が治ったことに喜んでいた。超喜んでいた。
大森はプールで泳げないことでおかしくなっていた。愛人をしていた部下が会社をやめるようだった。そこに警察から電話があり妻がスーパーで万引きしたようだった。妻をほったらかしにしていたことで万引きに走ったと思い謝った。このまま妻をプールに誘ったが強硬に断れた。カバンからは清々しい青色の抗生物質のカプセルがでてきた。
田口の身元引受人として伊良部医師がやってきた。怒りを爆発させることで治ると思っていたのを実行したおかげで勃起はおさまった。これはプラシーボ効果と同じだという。学級閉鎖を歌を歌いながら猛スピードで車を走らせる。
大森は夜中にハンマーを持ってプールを襲撃した。夜中に1番高い飛び込み台からスーツのままで飛び込んだ。全てをはらすように泳ぎ始めた。イン・ザ・プール!!伊良部病院に新しい患者として大森がやってきた。


面白かった。普通に録画してDVDに残しておいてもよかった。出てきた人がオダギリジョー岩松了ふせえり、そしてところどころ入るギャグといい時効警察を思い出していたが、やっぱり監督が三木聡だった。もしかすると原作よりも面白い可能性がある。いや、言い換えると原作とはまた別の面白さがあったのかもしれない。
イン・ザ・プールという本は短篇集っぽいので映画としては、いろんな人に場面が映るのでこうネタバレ的に書くとごちゃごちゃしてしまいわかりにくくなってしまった。でも、自分であとで読み返せばなんとか思い出せるとも思うのでこれでよしとする。原作は今度中古で買ってこよう。

イン・ザ・プール (文春文庫)

イン・ザ・プール (文春文庫)