借りぐらしのアリエッティ

借りぐらしのアリエッティ [Blu-ray]

借りぐらしのアリエッティ [Blu-ray]

翔はあの年の夏母の育った屋敷で1週間だけ過ごした。祖母の貞子に連れられて車で来たが、家政婦のハルの車が屋敷の入り口を塞いでいる。貞子がハルを呼びに行く間に、翔は庭にでると猫が草むらで何かを狙っている。カラスが飛んできてその猫を襲った。猫の反撃にカラスは逃げていったが、猫はまだ草むらを気にしながらも去って行った。翔はその草むらの草を伝い降りる少女の小人を見た。祖母に呼び戻されて翔は戻った。
少女の小人アリエッティは庭で集めた植物を持って走っていると、さっきの猫が突進してきて間一髪で軒下に逃げ込めた。煉瓦の入り口に向かうアリエッティの植物を狙ってバッタが2匹からんできて、1つだけ花をくわえていった。玄関からではなく窓から自分の部屋に入ったが、母親のホミリーにまた外に行っていたでしょうと怒られてしまう。とってきたローリエはホミリーの誕生日プレゼントに送られた。外には危険がたくさんあり、人間に見つかってもいけないし、ヒキガエルにたべられてしまうこともある。ローリエといっしょにとってきたシソは、砂糖があればシソジュースに出来るとホミリーが言い、今日の初めての借りで砂糖をとってくると約束した。
そこに父親のポッドが帰ってきた。人間の子供翔が新しく暮らすようになったと報告した。子供の方が凶暴だし今日の借りは中止しようとホミリーは言ったが、子供のほうが早く寝るとポッドは許してくれた。子供は病気だからと安心させるように言った。アリエッティも14歳になるので夫婦に何か会った時に1人で生きて行かないといけないと言った。
アリエッティは初めての借りの服を迷った末に、赤いワンピースにし、髪をまとめあげクリップでとめた。ホミリーは出かけるポットとアリエッティティッシュペーパーと角砂糖を借りてきてとお願いした。
ポッドがライトをつけ先に進む。ゴキブリがアリエッティを襲ってくるが撃退した。煉瓦の階段をあがり、釘で作った足場を渡る。ホチキスのシンのはしごを登り、糸ぐるまや石でできたエレベータを登る。外に出る前に小部屋でしばらく準備をする。
小部屋の次は食器棚の中にでた。人に見つかる可能性のある空間に、深呼吸してからアリエッティは最初の1歩を踏み出した。いろんな食器がアリエッティ達が使うものよりとても大きいことに驚いていた。砂糖の在り処を示し待っていろと指示してポッドは、ロープと針で器用に棚を下まで降りた。砂糖のあるテーブルまで走ると両面テープを手足に付け、テーブルを登っていった。それにアリエッティは感動している。ミキサーの電源コードを登り、砂糖の瓶までたどり着き角砂糖をとった。アリエッティもロープでテーブルの下まで降り、ポッドが降ろした角砂糖を大切にバッグにしまった。次のティッシュを取りに行くところで、落ちている待ち針を見つけアリエッティの初めての獲物となった。
プラグをはずし裏に入り込むと、そこには釘のはしごや足場が組まれていた。アリエッティは狩りを楽しんでいた。ネズミが厄介な生き物だが挑まなくてもいい危険があるとポッドは教えてくれた。上にあがり次の部屋に行くとドールハウスの中だった。サイズもちょうどよくデザインも素敵だったが、ここのものを借りるとすぐに人間にばれてしまうとポッドは止めた。ドールハウスをでると時計の音が響いていた。ドールハウスの棚から隣のティッシュボックスのある棚へ急いで移動する。ポッドとアリエッティが力を合わせてティッシュを1枚引き出した。そこでアリエッティは寝ている翔と目が合ってしまう。それに気づいたポッドも借りを中止して帰るように促した。動揺したアリエッティは角砂糖を棚からはるか下の床に落としてしまう。翔はこわがらないで、今日庭でアリエッティを見かけたと言った。母が小さい頃に小人を見かけたと話しかけるのを続けていた。しかし、アリエッティ達はそれを無視して引き返した。残念な面持ちで家に帰るアリエッティ。昼間に見つかっていたことをアリエッティは謝った。ポッドは「怖い思いをさせた、心配性の母親には黙っておくんだ、人間がこの先どうでるか見極めてからでも遅くはない」となぐさめた。
家に帰ってきたが、ライトが途中でつかなくなり借りは失敗したとポッドは報告した。無事でよかったとホミリーは返した。アリエッティは初めての獲物の待ち針をホミリーに見せ、今日はそのまま部屋に退散した。アリエッティは布団に入り泣いていた。
次の日は雨が降っていた。アリエッティは軒下に行き、ダンゴムシの子供を丸めて遊んだ。そのまま考え込んでいると、翔が軒下の入り口に角砂糖と手紙を置いていった。翔は庭でテラスで猫と遊んでいたが、祖母に呼ばれ部屋に戻った。アリエッティは手紙を読もうとしたがそのまま放っておいた。
家に戻り両親に角砂糖が通風口に置かれていたことを報告した。手をだしてはいけないとポッドは注意し、私達を捕まえようとしている罠だとホミリーは騒ぎ始めた。当分借りは中止だとポッドは言い、ホミリーはもう見つかったから引っ越さないといけない、住みやすい家だったのにと残念がっていた。ポッドはしばらく様子を見ようと冷静に言った。
雨もあがり、アリエッティは洗濯物を干すのを手伝った。さっきの角砂糖は蟻がたかっていた。蟻を追い払い手紙をみると「わすれもの」と書かれていた。
アリエッティは借りの衣装に着替え、バッグに手紙とくずれかけた角砂糖を入れた。家族に見つからないようにアリエッティは軒下からでて通風口をでた。蔦をのぼり1階の屋根まで上がった。屋根からは庭が一望できた。カラスがアリエッティに気づいたようだった。2階の翔の部屋に角砂糖を投げ込んだ。翔は来てくれたのと気づいた。アリエッティはもう私達にかまわないでほしいと言いに来た。人間に見つかると引っ越さないといけないと言った。家族がいることを翔は羨んだ。翔とアリエッティは自己紹介をした。葉の陰越しだったので姿を見せて欲しいと翔が頼んで、仕方なくアリエッティが姿を見せようとしたところで、さっきのカラスが網戸に突っ込んできた。蔦から振り落とされそうになるアリエッティを手で保護していると、ハルが部屋にやってきてカラスをたたき落とした。翔は後ろ手でアリエッティをハルから隠した。ハルが部屋をでていき、アリエッティを確認しようとしたが、手には葉っぱしか残っていなくアリエッティは部屋の隙間から家に帰っていた。そこをポッドに見つかってしまった。自分でなんとかしないといけないと思った、姿は見られていないとアリエッティは言ったが、家族を危険に晒しているんだと怒られてしまった。2度と関わり合うなと強く注意された。家に戻り、引越し先を探しておいた方がいいとポッドとホミリーは話し合っていた。
屋敷に宅配便が来た。ハルさんは宅配便の業者にネズミ取りの業者をきいていた。ネズミじゃなくて小人がいて見てしまったとハルは言った。カラスの飛び込んできた事件を聞き、貞子は手術前の翔の身を気遣っていた。翔の両親が翔の相手をしないことを貞子は嘆いていた。翔がドールハウスについて質問した。そのドールハウスは貞子の父親が昔小人を見て、その小人のために注文して作らせたものだった。でも小人は現れずドールハウスの持ち主は4代目を翔が受け継ぐことになった。ドールハウスにすごい部屋があると貞子は電気を消して見せてくれた。ドールハウスには明かりが灯った。本物の家具職人が作った家具が配置され、キッチンの食器もよくできていた。電気が通ればオーブンも本当に使えるらしい。父の願いを叶えたかったが、この家にはもう小人はいないのかもと貞子は言った。
翌日、翔はまた通風口に花と手紙を置いてから、庭で寝転んでいた。その様子を遠くから見たハルは胡散臭そうに見ていた。アリエッティは家でビスケットを砕いていた。夕立が降ってきた。
夜になり窓を閉めたアリエッティが、窓の写真が3年も同じで取り替えないのかと質問した。ホミリーはお気に入りで本物の海を見るのが夢だと語り、今更取り替えてもと付け加えた。父親が足を痛めて、スピラーという小人の青年に助けられて帰ってきた。アリエッティは小人の仲間が家族の他にいたことを喜んでいた。すぐに帰ろうとするスピラーにお茶を出した。スピラーは仲間が他にも何人かいることを教えてくれた。食事にも誘ったが、コオロギの足があるから大丈夫だと言った。帰るスピラーをアリエッティは送っていった。ポッドは森に新しい家を探しに行った時に足を痛めたと話した。スピラーが引越し先の心当たりも教えてくれたらしい。スピラーは屋根まであがり、布を広げて空を飛んで帰っていった。
アリエッティとホミラーは大きな袋を縫っていた。足を痛めたポッドは籠を編んでいた。アリエッティは人間がみんな凶暴とは限らず引越しの必要はないとポッドに言った。ポッドは、昔のこの家にはアリエッティの家族以外に2つの家族が住んでいたが、1つは行方不明になり、もう1つは人間に見られたから引っ越していった、我々は生き延びなければならないと話した。そこで突然家が揺れ、床板(アリエッティの家の天井)が剥がされた。キッチンのドアはタンスで塞がれホミリーが取り残されて家の壁などは人間の手によって剥がされていった。代わりにドールハウスのキッチンが設置された。なんとかポッドとアリエッティがドアを開けて部屋に入った時には天井は元通りになっていた。ホミリーはこういうキッチンが夢だったと言った。
貞子とハルがいない隙に押入れの床をはずして翔がキッチンを設置したのだった。ハルが帰ってきたことを知り、急いで押入れを元に戻し2階に上がっていく翔。それをうさんくさそうにハルが見ていたが、階段にドールハウスの食器を見つけた。
アリエッティ一家は急いで引越しの準備を始めていた。ホミリーはドールハウスの食器を持って行ってはいけないと言われ残念そうだった。ポッドは道を確かめに先に出掛けていった。
翔はまた庭で本を読んでいた。猫が何かの気配に気づいた。翔の頭の辺りにアリエッティが立っていた。台所が気に入ったかと質問した翔に、あなたのせいで家はめちゃくちゃ、今日はお別れに来たとアリエッティは話した。姿を見ることをアリエッティは許した。人間に気付かれないように少しづつ物を借りる借りぐらしは人間に見つかってはいけなくて、それで引っ越すことになったとアリエッテイは言った。父親のおじいちゃんの代から誰にも気付かれずに暮らしてきたが、翔に見つかってしまった。翔は責任を感じていた。他の家にはきっと仲間がいると言ったアリエッティに、きっと君だけになる、君たちは滅び行く種族なんだと残酷なことを言った。翔はこの世界に67億の人間がいて、小人はもう何人かしかいないだろうと言った。これまでには多くの種族が絶滅してきた。残酷だけど君たちもそういう運命だと続けた。なんとしても生き延びなければいけない、そのために危険をおかしても新しい場所に行く、そうやって工夫してどこかで生き延びていく、簡単に滅びたりしないとアリエッティは抗議した。翔は謝り、来週手術だけど死ぬのは僕の方だと言った。小さい時から何もできなかったから、小人を見た時に守ってあげられたらと思ったがダメだったと悲しそうに言った。
ハルは遠くからその様子を見ていた。そして押入れの前にバールが落ちていることを発見した。押入れのをあけて底板をはずすと、そこにドールハウスのキッチンがあることを発見した。そして、板をはずしホミリーをついに見つけた。アリエッティが庭で悲鳴を聞きつけた。ホミリーは逃げようとしたがハルに捕まってしまった。ハルはビンにホミリーを入れラップで塞ぎ空気穴を開けた。ハルは喜びながら棚の奥に瓶をしまった。
アリエッティが家に帰った時には遅かった。天井のゆがみを発見してアリエッティは庭に引き返そうとしたが、翔はもういなかった。2階の部屋に翔が戻るのを確認してハルは部屋に鍵をかけた。その後、ネズミ捕り業者に電話した。
アリエッティは2階の部屋に行き、翔にホミリーが捕まったかもしれないと助けを求めた。翔はアリエッティを肩に乗せ一緒に探すことになった。外から部屋に鍵を掛けられていたので隣の部屋に屋根伝いに移動した。翔の力では窓を開けられなかったが、アリエッティが隙間か忍び込んで、ピアスでカーテンをよじ登って窓の鍵を開け、翔も部屋に入ることが出来た。1階に降りた時に、ハルは業者に道案内で電話をしていた。押入れを開けた痕跡を確認し、アリエッティの家をはずし庭の草むらに隠した。ハルは業者を迎えに外に出ていく。
翔は庭を走り裏口から家に入る。流しの下や食器棚などを開けて探す。気配を感じアリエッティは食器棚に隠れた。ハルがキッチンにやってきた。ミルクが欲しいと翔は言った。翔はハルが見た方向が怪しいとアリエッティに指で指し示した。網戸の隙間から侵入して脚立を登った。ホミリーが瓶に入っているのをアリエッティは発見した。待ち針でラップを破り、ロープを下ろしてホミリーを救出した。家のチャイムが鳴り業者が到着し、ハルは出ていった。翔助けた様子を見に行き、ホミリーはあせったがアリエッティが落ち着かせた。
貞子が帰ってきた。ハルは小人がでたと報告した。翔は隠したアリエッティの家を自分の部屋に持ち帰った。ハルが自慢そうに押入れをしたを貞子に見せたが何もなかった。業者に帰ってもらおうとする貞子に、ドールハウスのキッチンがなくなっていると翔の部屋を見せるが元通りになっていた。ハルは翔を睨んだ。捕まえた小人がいるとハルは部屋を出ていった。貞子はドールハウスのキッチンのポットからハーブを見つけた。お茶を入れたんだと喜んでいた。どろぼう小人という貞子に借りぐらしですと翔は言った。ハルが瓶を見に行くともう瓶は空だった。小人は本当にいる、こんどこそ捕まえてやるとハルは地団駄を踏んだ。
夜になりアリエッティ一家は森を抜けていた。途中で小休止で食事をした。アリエッティが身勝手で引っ越すことになったことを謝った。済んだこと、また新しい家をつくろうと両親は慰めた。アリエッティは気分転換に外にでた。外に出ると光る目がアリエッティを狙い、アリエッティは待ち針を構えたが、いつもの猫だった。猫もお別れに来たようだった。
翔は部屋で寝ていたが、なんとなく庭にでてみた。猫が来て追いかけてこいというように庭を走っていった。翔は追いかけた。アリエッティの家族は川まで辿り着いた。川ではやかんの船でスピラーが待っていた。荷物の積み込みが終わった。出発かという時に翔は川に来た。アリエッティを呼ぶ。翔の足元にアリエッティは行く。アリエッティが出発の挨拶をしていると、スピラーが遠くから弓を構えたが話しているのをみて納めた。翔は最後に角砂糖を渡した。アリエッティも今度は素直に受け取った。アリエッティのおかげで生きる勇気が湧いてきて手術をかんばると言った翔に、アリエッティは髪をとめるクリップを渡した。いつまでも元気で、さよならとアリエッティは去っていき、翔はアリエッティ、君は僕の心臓の一部だ、忘れないよとつぶやいた。
やかんは川を流れていった。スピラーは棒でやかんの舵をとり、中ではポッドがホミリーの靴を直していた。ホミリーはお気に入りの海の写真を眺めている。アリエッティはやかんの上に登り、スピラーからいちごをもらった。川には鯉が泳いでいる。


去年の3月放送のものをようやく見ました。ジブリは背景など絵が綺麗だなぁと思います。昔の作品に比べるとやっぱりなんかストーリー的になんか良くないように思えてしまうけれど、これはこれでいいのだと思います。
この作品が1番言いたかったのは、アリエッティと翔の会話の種の絶滅の話とそれでもなんとしても生き延びないといけないということかなと思います。