30ハケン女が就職する方法♪

もう主演が内田有紀というだけでつい見てしまった映画。ちょっとくらい自己啓発的かと思ったらおもいっきりコメディタッチだった。


派遣社員女2人とオカマ1人がファミレスで愚痴っている。派遣社員がやめないように半年に1回派遣会社で飲み会が開催されるとかなめられているなど。そこから境遇的な話になり、派遣社員っていいよねっていう話にまでなっている。会社に束縛されて生きるのが嫌で派遣をしている主人公の神林莉子(内田有紀)。派遣会社の契約では1年で更新しないといけないけれど、派遣会社を飛び越えて契約会社と直談判して契約を決めた。というわけで派遣社員であることを最高に楽しんでいるつもり。
今日も1つ仕事を終え、部会の準備にいったところ、ある男性と廊下でぶつかってしまう。その男性はまさかの再会相手だった。
場面は変わって理子の部屋。理子は100円ショップで買ったアイスにいろんなお菓子をトッピングしてすばらしいパフェを作って彼氏と食べている。そこで彼氏に「そろそろ派遣をやめて僕に永久就職しない?」とプロポーズをされた。年収400万の相手では結婚できないと理子は怒る。本当はお金の問題ではなく、永久就職という言葉にひっかかって結婚を承諾しなかった。30女は余裕があるので欲張りだ。
会社に行くと今期で派遣契約を打ち切らせてもらうという風に会社に伝えられた。会社が傾いてきたのでしょうがない。残り80日はこれまでどおり働いてもらい、その間に次の職場を探してもらうということになった。派遣会社にはすでに話がいっているらしい。派遣会社に怒って乗り込んでみると、前に廊下でぶつかった男が応対にでてきた。男は昔、理子と海外で関係のあった龍崎一太だった。莉子の新しい担当になったのだった。思い出話もそこそこにさっそく次の職場候補の話になる。もちろん今のジャパンホーム食品で働けるようにしてくれと駄々をこねる。直談判をしたことがあるが、それは派遣会社のお気楽な身だからできたことで社会ルール違反だという。泣き落としなども使ったのだろうと龍崎は言う。莉子は女性蔑視だと怒る。年齢やキャリア、資格から職場を選べる状態ではないという。職場を転々として大手と契約できたら、永久にそこで働けるようにというのは虫が良すぎる。安定か自由かどちらかしかとれない。早く次の職場を決めないと条件はどんどん悪くなっていく。残り物には福があるわけでもなく、残り物の辛さは分かっているだろうといらないことまで言ってしまい、莉子は32歳独身女の残り物というところで怒らせてしまう。プロポーズを断った話などをだしたが、断れた男は不幸中の幸いだといい、奥さんになる人は不幸だと言い返して、妻にまで同情してくれなくて結構といわれたところで、莉子は急に醒めてしまう。とにかく派遣には派遣の、正社員には正社員のルールがあると龍崎にいわれたところで、売り言葉に買い言葉に派遣をやめて正社員になってやると啖呵をきってしまった。
いつものメンバーで啖呵をきってしまったことの愚痴をいっていたが、実際は正社員契約など難しい。彼氏のプロポーズを断った直後に派遣打ち切りとは踏んだりけったりだ。とりあえず派遣契約終了までの日めくりカレンダーを作った。食堂で自分で作った弁当を食べていると龍崎が現れた。弁当が経済的だとか、コロッケには醤油だとか、いろいろ言いながらも、次の派遣先のことを話し合おうと会いに来たらしい。派遣切りが多い中次の職場を探してこれる会社の優秀さを語りながら、何度も神林さんと呼ぶことに対して怒る莉子に、「じゃぁ昔のように莉子って呼んでもいい?」と問い返す。一瞬莉子はひるむが、意地っ張りなので派遣をやめて正社員になることを取り下げる気はないといった。ついでに一緒にぐちっていた仲間にも派遣をやめようともちかけたと話した。
龍崎は会社の外で部下と莉子の問題がうまくいかないと話している。営業成績の悪い社員はリストラすると上に言われたらしい。1人の派遣社員も逃すわけにはいかない。
莉子はジャパンホーム食品会社の人事部と話をする。人事部がいうには莉子が昔だした企画「お子様ランチン」が商品化されることが決まったらしい。この商品化が決まったので派遣契約打ち切りを撤回し、このプロジェクトのために契約延期を会社側が申し出てきた。ここで莉子は勝負にでて正社員にしてくれと頼んだ。期待されても困るが人事にはかけあってもらえることになった。莉子の頼みで派遣会社にもこの話は内密にということになった。
会社から帰ろうとしている龍崎に別の派遣社員から電話が入った。派遣契約をきられないためにも、料理屋で愚痴を聞いてあげることになった。そういう風にご機嫌をとるのも仕事のうちということだ。
莉子はというと派遣契約終了までに48日となった。人事部の意見を直接聞く機会があった。人事部の人は娘がいて今年短大を卒業するのですぐに結婚しろと言っているらしい。女の幸せは結婚と子育てにあると。がちがちの女性蔑視だった。ただ莉子についてには今33歳になろうという時に急に正社員になりたいということは、人生に危機感を感じ始めているからではないかと痛いところをついてくる。莉子としても結婚したくないわけではない。幸福の一部に結婚があるという考え方をしているだけだ。結婚も仕事もというのはぜいたくでわがままなのか。
お子様ランチンのプロジェクトの会議に莉子は参加する。一部のウインナーなどが勝手に変わっていたので反論すると、コスト的な問題で理想と現実というこの話的にも意味深ワードぶつけられる。夜に企画案を練り直して次の会議で莉子はそれを披露した。旗をいくつか作ることにより子供のわくわく感をあおり、もう1つまた買ってくれる可能性につながるという。コストの問題をだされるが上司の加勢もありうまくいきそうだ。
一緒に愚痴っていた仲間の1人は次の派遣先を断ったが、実家の九州に帰ることに決めたという。コネで市役所の仕事を見つけてくれたらしい。オカマや莉子は帰る場所もないので少しうらやましがっていた。
莉子はインテリアショップでまたお気に入りのハートお皿を見ていた。そのお皿は8000円近くしてとても買えないと思っているところに龍崎が現れてプレゼントしてくれるという。賄賂なら受け取らないというと賄賂ではないといわれ、個人的なプレゼントならなおさら受け取れないというと理由が必要かと問われる。自分のほしいものが自分で買うといって店をでてきた。ふらふらと町が夜になるまで歩いていると、龍崎がお皿を買って莉子を追いかけてきた。龍崎が結婚しているというのは莉子の勘違いだった。龍崎が独身だとしり揺れるところに、龍崎はずっと会いたかったんだと追い討ちをかけてきた。そのままキスをされてしまう。
次の日、寝ぼけた状態で歯磨きをしていて、買ってもらったお皿を眺めながら昨日の龍崎の言葉を思い出してにやにやしている莉子。食堂でコロッケを食べるときにも醤油をかけていて、やっぱり莉子とは気が合うねという龍崎の言葉を思い出しにやにやしてしまう莉子。恋わずらいかと同僚にも見抜かれる。龍崎からオカマの同僚には次の派遣先としてスポーツジムの受付を紹介してくれたらしい。九州に帰ることにして派遣社員には契約を切るための話し合いについていくことになった。そのまま飲み屋で話すことになった。契約会社の社員は酒癖が悪いようでリストラの話をだしてしまう。愚痴の一部で龍崎が派遣会社とデートしたりして契約きられないようにしていることをばらしてしまう。
その怒りがおさめられないまま、龍崎の家に莉子は乗り込む。女を仕事を道具のようにしか考えていないと怒る。夢ばかりみて雲をつかむような幼子の努力、地面に生えている草を枯らさないように水をまき続けるような大人の努力は違うと龍崎は言う。莉子も水をまき続けるような努力をしていて、短大で栄養学を学んで将来は自分で飲食店を経営したいという夢があった。そのためにOLではなくいろんな職種を経験して将来の夢に近づけるようにしてきた。ようやく食品メーカに勤務でき夢に近づけたという。それがあったので契約自由化の交渉をし、自分で自分の道を切り開いた。飲食店じゃなくても食にまつわる仕事がしたい、それは母子家庭であったのに早く母をなくしてしまったので、母を感じていたいからだと言う。小さいときにはレストランのお子様ランチが食べたいとわがままを言ったこともあった。そのうちに母は事故にあって亡くなってしまった。その時にちょうど海外旅行をしていて龍崎と出会った。泣いている状態でキスをしてそのままなだれ込みそうになるが、なんとか莉子は帰った。龍崎もラグビーをやっていた昔を思い出した。けがによりラグビーをあきらめないといけなくなってしまっていたのだ。
別の夜、野口という派遣会社の社員に呼び出された。一緒についてきたオカマに莉子と龍崎の過去に何かあったのかと見透かされてしまう。野口には再見という中華料理屋に連れて行かれる。頑固そうな親父さんが1人でやっている中華料理屋。頑固でこわそうだけれど、子供たちには小さな器を持っていてあげたりと優しい。以前は奥さんがいたのでいろんなメニューをやっていたが、奥さんが亡くなってしまったので今はラーメンとぎょうざしかやっていないらしい。莉子は大将のラーメンとぎょうざは人を幸せな顔にする魔法を持っているとべた褒めだった。野口は龍崎に報告メールを打っていたが、今日の中華料理屋は龍崎が頼んだプライベートらしい。理由までは聞かされていないらしいが、あの店は龍崎の実家らしいが、龍崎はもう何年も実家に帰っていなくて親子断絶らしい。龍崎が莉子に心を開こうとしているところだからとオカマが発破をかける。
次の日、莉子は竜崎の部屋を訪ねる。龍崎の父親は会社の派閥争いが合わずに脱サラして店を開いたらしい。それで生活が大変になり、家事と店の過労で若くして亡くなってしまった。だから組織人である大変さなどは分かっているし、親父を許せない。ラグビーをやめた理由も野口から聞かされていて、ラグビーができなくなったので子会社に出向になって、いきなりリストラの危機になっているがクビにならないようにがんばっているところだと言う。仕事のためとはいえ、誰でも彼でもキスをしているわけじゃないと言う。莉子が食にまつわる仕事をしたいというので、あの中華料理屋を紹介したのだった。ある意味ここから本題にはいり、日本に帰ってきてから連絡するという約束をしたのに会えなかったという話になる。電話番号を書いた紙をおいておいたというのだが、何度そこに電話かけてもつながらなかったという。今も電話番号が変わっていないというので確認すると、1と7を読み違えていたというオチだった。ここから龍崎の告白、ずっと会いたかったというのは嘘じゃないという。莉子もあの時は子供なのでそれ以上突き詰める勇気や追いかける根性がなかった。お互い13年間忘れることができなかった。13年がたちようやく初恋の人に向かい合えた。そしてそのままなだれ込んだらしい。
会社の人からようやく正社員採用の話をきかされる。しかし、希望の食品関係の本社ではなく系列の保険会社。条件が悪くないから余計に困ってしまうらしい。迷っているところに龍崎から大事な話があるので今夜会えないかとメールが来た。プロポーズを期待していくと、コンビニ弁当をたくさん出された。個人経営のコンビニではあるが食品開発の仕事として新しい派遣先の話だった。龍崎が莉子の希望を聞いて苦労して探してきた仕事だが、莉子は正社員の仕事が決まりそうだと話しだしてまた喧嘩になってしまった。言い合いをしていたが、お姫様の夢物語につきあえないという部分で莉子は醒めて帰ってしまう。
派遣契約終了まであと1日となったときに、保険会社の本社の大阪の面接と新しい派遣先のコンビニの顔合わせの日が重なってしまう。スーツを来て家をでてからもまだ迷っていた。30女は自分で自分の道を決めたいが、誰かに背中をおしてもらいたいというズルさもあるという。その迷いがあり、再見に来てしまう。どちらの会社に行くか迷っている時に大将のラーメンを食べれば答えが出るきがしたらしい。大将はラーメンではなくチャーハンを食べて欲しいという。食べ終わった時に大将はなんと倒れてしまう。
待ち合わせをしていた龍崎がようやく莉子と電話がつながった。派遣先にも大阪にも行かないつもりという。ずっと病院にいたという。龍崎が急いで病院、じゃなくて中華料理屋に行くと、なんと莉子が代理店長をしていた。大将はただの盲腸だったらしい。莉子はチャーハンを食べている時に、コンビニ会社でもなく保険会社でもなく、再見に就職することを決めた。大将もたくさんのメニューをだしたいはずなので、誰でもいいパートナーではないはずだから、娘になって龍崎に永久就職の結婚をして再見で働くことを決めた。神様のいたずらで13年の初恋をみのらせてくれて、龍崎が現れたことで背中をおしてくれたという。そんな莉子からのプロポーズ。龍崎はお店の繁盛は約束できなくて、会社もリストラ対象なので自分から辞表をだすつもりで、これから高校のラグビー部の監督をやるつもりだけど給料はとても減るが良いかと聞く。そして辞令発表。神林莉子を龍崎一太の嫁に配属する。ここでギャグか。
そして、初恋の人への永久就職決定。引き出物に莉子企画のお子様ランチンもでて、大将のご祝儀の特大チャーハン登場。いろいろハッピーエンドで30ハケン女が永久就職する方法というタイトルだったと判明。


なんというか内田有紀はこういう役の方が合うかも。とにかくかわいさだけが目立ちました。今の年齢ではもうこういう役はでてこないですかねー。残念。
ストーリーもなんとなくありがちなラブコメな印象をうけましたが、部分部分で考えさせられるものもあった。僕も30歳になろうとしている年齢で派遣ではないけどフリーターで将来的な危機は感じている。社会のルールとかちゃんと守っているのだろうかとか、草に水を撒き続けるような努力をしているだろうかとか、まぁいろいろ。だからってこんな映画のような劇的なことは起こらないと思うけれど、それでも何らかの道を選んで何らかの答えをだしていかないといけないわけで、けっこう大変です。