彼女の頭は温かい

中学3年生くらい。
理科室で授業を受けている。窓側の1番前の席に僕は座っている。だるいなぁと思って窓の下部分の壁にもたれていた。それともうつろな目で黒板に必死に字を書いている教師を見ていた。しばらく見ていると、ズズズと後ろの机がずれる小さな音がした。後ろの席は朱音(仮名)で小声で「あたしも眠くなった。この授業本当につまらないわ」と言って、机をさらにずらし僕が壁にくっつけたイスの隣までイスをずらしてきた。それでも教師は気づかないようだった。朱音はイスを僕のイスに完全にくっつけて、手をつなぎ頭を僕の肩にもたせかけて眠り始めた。その朱音の頭に僕は頭を乗せて眠った。何度か目を覚まして周りを見渡したりしたのだけど、誰も気にしている様子はなかった。朱音の頭はとても温かかった。