自殺を止められないように逃げる

高校生くらいの年齢。
校舎から僕は走り出てきて、校庭に向かった。校舎から僕と同じくらいの高校生が、僕の名前を呼びながら追いかけてくる。遊具の間をすり抜けて、校舎の裏門を出て、林の間を走り、堤防の上を走り、丘を走り、僕はどこまでも逃げる。他の高校生たちも僕をどこまでも追いかけてくる。僕の名前の他に、「はやまるな!」とか「考え直せ!」とかそういう声も聞こえてきた。僕はようやく自殺しようとしていたことを思い出し、他の高校生たちが止めようと追いかけているのだとわかった。疲れてしまったのか目の前が真っ暗になった。
目が覚めると僕は部屋の中にいた。フローリングの床に仰向けになっていた。離れたところには沙久夜(仮名)が布団の上にぺたんと座って泣いていた。沙久夜は大学生の時の彼女。沙久夜は「僕とはもう付き合えない」と泣いていた。僕は部屋をでると豪華な別荘のような家の2階の部屋だった。木の豪華な階段を降りると、玄関を開ける音が聞こえてきて沙久夜の父親だと思い、まずいと思って部屋に引き返した。