コロナ患者が真っ青に見える特殊能力を身につけた夢

高校生くらい。

サッカー部の試合の帰りで貸し切りの観光バスに乗っている。咳をしている部員がいて、そいつの皮膚を見ると比喩的表現ではなく、完全なる青色に見えた。僕が青いと指摘すると周りのメンバーも真っ青だぜとは言うのだけど、どうにも青ざめているとか顔色が悪い程度の感じらしい。

バスの中で中継されていたニュース映像を見ると、コロナと戦う病院の様子で、患者の皮膚はバスの部員と同じく青、看護師は普通に肌色だった。どうやら、なぜか僕はコロナ患者が青く見える特殊能力を身につけたようだった。

とはいえ、密閉されているバスの中ではどうしようもない。窓は開けて換気をよくしてマスクもちゃんと鼻と口元を覆ってみた。しかし、バスの中に明らかにコロナ患者がいるのが分かるというのは、本来疑心暗鬼程度の恐怖が完全なる形を持ってしまうことになるのでこわい。

黒澤明監督の夢という映画で放射能に色をつけて危険を察知できるはずが、逃げ場がなく色付きの放射能に追い詰められる場面があり、その恐怖と似ているなぁと思った。コロナに関しては絶対感染するのものではないということもわかるし、逃げ場がないなりにもマスクでの対処もできるし、高濃度の放射能のようにすぐに何か被害がでたりするものでもないので、あぁこわいなぁという程度で顔をしかめるくらいの反応しかできない。

一応は近くの部員にもそいつはコロナにかかっているよと忠告したものの、みんな本気で受けとめている感じはしなかった。