バスが通るのは細い道

15歳くらい。
校外に出て何かの学習をした帰りだった。公園の砂利道を歩いていて、彼女の真琴(仮名)とその友達に何かでバカにされて、かなり僕はすねていた。すねたまま帰りのバスに乗り2人分の座席を占領し寝転がっていた。
いつの間にかバスは止まっていた。体を起こして窓の外を見ると自分の家についていた。バスで自宅まで送ってくれたらしい。ところが、僕は学校まで自分で運転して車で行っていたので車が学校に置きっぱなしになり困るので、結局学校まで乗せて行ってもらうことになった。バスの中にはすでに真琴とあと4,5人しかいない。
バスは僕の家の駐車場を出て、観光用の大型バスがぎりぎり通れるようなかなり細い丘の道を川に沿ってのぼっていった。運転手は担任の若い男の教師だった。本当にギリギリだったのでゆっくり上り、生徒たちも窓から外を見て落ちるとか危ないとか何度も教師に言っていた。ようやく坂を上りきり、細い石橋を渡り、幹線道路の手前の道に入った。それで教師は運転に油断したのか、一時停止で止まっていた前の軽自動車に気づかずにぶつけてしまった。スピードはでていなかったので大した衝撃はなかった。軽自動車からは柄の悪そうな男がでてきて、教師につめより現金3万円を受け取り自動車に戻り出発した。
大型バスも出発した。なんかかなり小さい頃に通った覚えのある山にさしかかる道にでた。片側に堀があって柳の木が生えている。堀の向こうには自分の通っているのとは別の学校の校舎が見えた。この道を通っても学校に戻れないはずなのにと思ったけれど、バスが進んでいった。